こちらの記事では、「春ゆきてレトロチカ」の購入を検討されている方や、どのようなゲームか興味関心がある方に向けて、ネタバレなしでゲーム情報をお伝えしています。
「春ゆきてレトロチカ」のゲーム紹介
「春ゆきてレトロチカ」の個人的評価
本作「春ゆきてレトロチカ」の個人的評価は【星2(★★☆☆☆)】です。※評価基準の詳細はこちら。
名作「428 封鎖された渋谷で」のシナリオディレクターを務めた「伊東幸一郎」さんが、本作ではディレクターとして参加している、待望のアドベンチャーゲームです。
折角の本格的なミステリーでありながら、「これでよいのかな?」といった問題点が複数個所あるため、そこを受け入れられるかどうかで、評価が大きく分かれそうな作品でした。
以降では、特にどのような方におすすめしたいか?について説明していきます。
「〇〇が好きな方」にお勧めしたい【3つのポイント】
①ミステリーが好きな方
本作「春ゆきてレトロチカ」は、近年では珍しく、実写のミステリアドベンチャーゲームで、主人公のミステリ小説家「河々見(かがみ)はるか」が、科学者の「四十間(しじま)永司」から、桜の下で見つかった白骨死体の、正体究明と、四十間邸に眠ると言われる、“不老の果実”の捜索依頼を受けるところから、物語が始まります。
主人公は捜索のヒントを得るために、”古書”に書かれた物語を読み解くことで、現代で発生する殺人事件の真相に迫っていく、という流れになっています。
②桜庭ななみさん・平岡裕太さんが好きな方
主人公の河々見はるか役として、桜庭ななみさん。相棒の四十間永司役として、平岡裕太さんが出演しています。
③”火サス”の様なサスペンスドラマが好きな方
本作「春ゆきてレトロチカ」は、金田一耕助シリーズや、犬神家の一族といったドラマのテイストに近しく、火曜サスペンス劇場や、月曜ミステリー劇場といった、サスペンスドラマが好きな方にはお勧めの作品です。
「春ゆきてレトロチカ」を深掘り
以降では、本作「春ゆきてレトロチカ」について深掘っていきます。
①物語は「問題編」「推理編」「解決編」の3つのパートで展開していく
「問題編」では、起こりくる殺人事件の全てが描かれます。このパートでは、事件を解決するために必要になる「手がかり」を取得しながら、ストーリーを読み進めて行きます。
「推理編」では、問題編で発生した「謎」と、手に入れた「手がかり」を元に、主人公の”思考空間”の中で仮説を立てていきます。
謎に対して、手がかりとなるピースを、パズルのように組み合わせていきます。正しい場所に当てはめると、さまざまな「仮説」が導き出されます。
仮説が立て終わったら、最後に「真相が」に対して、「みえた」をセットすることで、「解決編」へと進んで行きます。
②「手がかり」を取得するシステムに難あり
物語の会話の中で、事件の手がかりになる重要な内容が出たタイミングで、画面上に手がかりの”ワード”が出現します。
このタイミングでボタンを押すことにより、効果音と共に「手がかり」が取得できます。「手がかり」は、推理パートで仮説を立てる際に、必要不可欠な要素です。
③マルチロールシステム
本作「春ゆきてレトロチカ」では、古書に書かれた物語の真相に迫るために、”現代の登場人物”に当てはめて、古書を読み進めて行くことになります。
つまり、同じ俳優陣が、別の時代の物語では、別の役として登場します。そのため、同じ俳優でも、時代によっては犯人であったり、そうでなかったりするパターンもあります。
例えば、ある古書の物語上では「憎むべき犯人」で、現代では「無実の良い人」であったりするため、推理をする上で混乱してしまう事と、過去編の物語の思入れが薄くなってしまい、マルチロールシステムにするメリットが見い出せませんでした。
④思考空間の操作性が悪い
主人公の思考空間において、手がかりを掴んで、正解となる枠まで移動させるといった、一連の動作において、操作性の悪さが目立ちました。
具体的には、右スティックでカーソルを動かして、画面右にある「手がかり」のピースまで移動させます。続いて「ZR」を押しながら、対応する「謎」の枠まで右スティックで移動させます。この動作が特に動かしづらく、非常に違和感があり、操作性が悪く感じました。
【総括】「春ゆきてレトロチカ」
星2の評価にしたのは、思考空間での操作性の悪さ、全体的に任天堂スイッチに最適化されていないような文字の小ささといった、ユーザーインターフェースの部分に、改善の余地がありそうであること。
マルチロールシステムが、出演者数を抑える代わりに、プレイヤーに混乱を生んでしまう事といった、デメリットが最後まで払拭できなかったことが起因しています。
「推理編」および「解決編」のテンポも悪く、解決編で選択肢を誤ると、再び推理編にもどり、選択肢を間違えた分だけ、同じ映像を見ることになるのが煩わしく感じてしまいました。
色々酷評してしまいましたが、真犯人は誰なのか?については、非常に気になる本格的なミステリアドベンチャーであることは間違いありません。
似た作品で言うと、冒頭で触れた「428 封鎖された渋谷で」や、「かまいたちの夜」といったゲームを思い浮かびますが、似て非なるものであり、新しい試みの作品であると言えそうです。
本作「春ゆきてレトロチカ」は、物語重視でゲーム性が薄い作品であるため、ドラマが好きな方には、推理物のテレビドラマを見ている感覚で、楽しむことができる作品です。
※あくまでも個人的な評価であり、他サイト様とは異なる判断基準になっているため、参考程度にご覧頂けると幸いです。
100年にわたって不可解な死が続く四十間一族。この一族の元を訪れたミステリ作家の河々見はるかは、時を越えて起きた4つの殺人事件に挑むことになる。死を呼ぶ「赤い椿」と「不老の果実」。そして、その先に眠る真実とは
【Information】「春ゆきてレトロチカ」の基本情報
タイトル: | 春ゆきてレトロチカ |
発売元: | スクウェア・エニックス |
ジャンル: | ミステリアドベンチャー |
プラットフォーム | Nintendo Switch |
発売日: | 2022年5月12日 |
希望小売価格 | 7,480円(税込) |
100年にわたって不可解な死が続く四十間一族。この一族の元を訪れたミステリ作家の河々見はるかは、時を越えて起きた4つの殺人事件に挑むことになる。死を呼ぶ「赤い椿」と「不老の果実」。そして、その先に眠る真実とは